お守りをくれた彼は今頃どうしてるかな

今週のお題「ほろ苦い思い出」

 

今日は娘の私立高校の入試なのでお弁当を持たせて送り出しました。

バレンタインデーの話ではないのですが、かつて私が受験生だった時のほろ苦い思い出があります。

大学受験に一度失敗した私は夢を捨てきれず一浪することになりました。地方から都会に出て寮生活をしながらの予備校通いは孤独だったけれど、同じ学部を志す仲間もできそれなりに充実していました。

講義を受ける時の席は自由でしたが半年もすると定着し、私の前列と両隣には女子、後列には地元ではトップ校の男子が座っていました。根が真面目な人ばかりだったので休憩時間もおとなしく勉強し、おしゃべりで盛り上がるようなことは無かったけれど皆で頑張ろうという雰囲気の中で毎日を過ごしていました。

最後の講義が終わった日、いつも後方に座っていた男子から「試験、頑張ってください」という言葉と共に封筒を手渡されました。突然の出来事だったのでどうしてよいかわからず無言だったような気がします。寮に帰ってから封筒を開けると学業成就のお守りと「いつもあなたの斜め後ろに座っていました、あなたが頑張っていたので僕も頑張ることができました」といった内容の手紙が同封してありました。

当時の私は大学に合格することしか頭に無かったのでスルーしてしまったけれど、受験シーズンになると彼のことを思い出してしまいます。わざわざ神社まで行ってお守りを買ってきてくれたこと、心がこもった手紙を書いて手渡してくれたこと。あの時応援してくれた彼に感謝の気持ちを伝えられなかったことが悔やまれます。

別々の大学に進学したけれど彼も同じ職業に就いているのだろうか、忙しい毎日を幸せに暮らせているといいなあ。